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ウェブサイトの運用に役立つ1冊を紹介します

制作・撮影

こんにちは。更新担当の上原です。

弊社では、お客様のサイトの改善提案をおこなうために、更新チームで定期的にミーティングを開いています。
これまで多くのアイデアを出してきましたが、回数を重ねるごとに、どうしてもアイデアがワンパターンになってしまうことが増えてきました。

例えば、デザインの微調整や既存のコンテンツのリライトといった表面的な改善にとどまってしまい、もっと根本的なアプローチできるような知識が必要だと感じることが増えてきました。

またアイデアを出す中でサイトを使うユーザー目線も大切だと痛感しているのですが、お客様のお困りごとをウェブサイトを改善できる提案ができるようになりたいと強く思うようになり、最近改めてマーケティングとSEOについて学び直しています。

幸いにも、弊社の1階には大きな本屋さんがあり、マーケティング関連の書籍や専門書などを手に入れる環境が整っています。
しかし、専門書は、最初は意欲的に読み始めても、途中で読み切れずに挫折してしまうことが多いため、オーディオブックを使って本を「聴く」ことにしました。

現在はAmazonのオーディブルを利用しているのですが、聴き放題の中にもマーケティングやSEO関連の書籍が豊富に揃っているので読みたい(聴きたい本が)本が多く、大変便利です。
目を閉じていても、手がふさがっているときでも、耳から本の内容が自然と頭に入ってくるので、今のところ、挫折せずに勉強が続いています。

今回、私が紹介したい本は

デジタルマーケティングの定石-なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか
です。

この本を紹介したいと思った理由はあるお客様とのやりとりでした。

そのお客様はサイト全体を取りまとめる担当をされていたのですが、部署異動になり、異動を機に改めて自社サイトの担当部署のページを見直した際に、「どこに必要な情報があるのか分からず、使いにくい」と感じたとおっしゃっていました。

今まではなんとなく更新していたけれど、これを機にユーザーにとって使いやすいページに改修しウェブサイトを通じて現場の課題を解決したいとお話しされていました。

お話をお伺いしながら、この本に書かれている状況と一致する部分が多く、この本を紹介することで悩めるウェブ担当者のお役に立てるかもしれないと感じ、ブログで取り上げることにしました。

本書のハイライトと考察

「デジタルマーケティングの定石」では、デジタルマーケティングにおける効果的な施策や、なぜ成果が出にくい施策が繰り返されるのかについて、詳細に解説されています。特に印象に残ったポイントをいくつかご紹介します。

1. 基本原則の解説

デジタルマーケティングの基本原則として「ターゲットの明確化」「顧客理解」「施策の一貫性」が強調されています。
これらは一見当たり前のように思えるものですが、実際には多くの企業がこれを十分に行えていないと指摘されています。
特に、ターゲットのニーズを正確に把握し、そのニーズに基づいたコンテンツや施策を設計することが重要であると述べられています。

具体例として、ある企業の事例が紹介されていました。この企業は、顧客の行動データを分析し直した結果、ターゲット層が本当に求める情報が当初の予測とは異なっていたことを発見しました。その結果を基に、コンテンツを大幅に改修したところ、サイトのアクセス数とコンバージョン率が飛躍的に向上したとのことです。このように、基本に立ち返って顧客理解を深めることで、施策の効果が大きく変わることが示されています。

2. 成果が出ない理由

本書では、多くのマーケターが成果を出せない理由として「短期的な成果への固執」「データの誤解」「施策の改善不足」を挙げています。具体的には、施策を打つ際に成果を急ぎすぎ、十分な検証や改善を行わないケースが多いとのことです。

特に印象的だったのは、データ分析の誤りにより、全く違った方向に施策が進んでしまう事例でした。データを表面的に解釈するのではなく、深掘りして本質を捉えることが求められています。この章では、データの分析手法や失敗を防ぐための具体的なポイントが述べられており、非常に実践的で参考になる内容が多く含まれていました。自分の仕事にも当てはめて、施策を見直す機会を得られたと感じています。

3. データドリブン施策の限界とその先

デジタルマーケティングでは、データに基づいた施策が重要とされていますが、データに依存しすぎることで失敗するリスクについても言及されています。データは顧客の行動や傾向を把握するのに役立ちますが、それが全てではなく、データには表れないユーザーの感情や本音を理解することも必要です。

例えば、データ分析だけで施策を行った企業が、その後ユーザーアンケートを実施した際に、意外なフィードバックを得た例が紹介されています。データの裏にあるユーザーの本音を知り、施策を柔軟に調整することができれば、さらに大きな成果が期待できると感じました。

4. 施策のPDCAサイクルの重要性

施策のPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を徹底することが、デジタルマーケティングの成功には欠かせません。本書では、このサイクルを効果的に回すための具体的なアプローチが紹介されています。特に、評価の段階で「何をどのように測定するか」が明確に示されており、施策の改善点を的確に見つけるためのガイドラインがわかりやすく説明されています。

日々の業務においても、このサイクルを取り入れることで、施策の質を高めることが可能です。
例えば、Google Analyticsやヒートマップを用いてユーザーの行動を追跡し、そのデータを基にコンテンツを改善することで、持続的な効果が期待できると感じました。

5. 成功事例と失敗事例から学ぶ

実際の企業の成功事例や失敗事例が多く紹介されており、非常に実践的な内容です。例えば、リターゲティング広告を用いて売上を大幅に伸ばした企業のケースや、逆にデータに基づかず施策を行ったためにユーザーから反感を買い、ブランドイメージに悪影響を及ぼした例など、具体的なケーススタディが示されています。

特に印象的だったのは、データ分析によってターゲット層の意外なニーズを発見し、それに合わせたコンテンツに変更したことで成果を大きく伸ばした事例です。このような成功事例を参考に、ユーザーの声をしっかり取り入れ、データと直感の両方を活かした施策を行うことの重要性が再確認されました。

まとめ

この本を通じて、データの分析だけではなく、「ユーザーが何を求めているか」をしっかりと意識したサイト運用の重要性を再確認しました。

また、数多くのウェブ施策が存在する中で、ありとあらゆることに手を出すのではなく、自身の明確なゴールや目的の優先順位を設定し、施策を取捨選択することが大切であると実感しました。
こうすることで、やるべきことが明らかになり、サイト運営に関する迷いが減り、成果を実感しやすくなるのではないかと強く思います。

サイト運営において何かお悩み・お困りごとがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

どんな小さなことでもお手伝いできることがあれば幸いです。


私自身も、お客様に対してより良い提案、お悩みを共に解決できるよう学んだ知識を積極的に活かしていきたいと思います。