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「モネ 睡蓮のとき」から学んだいろいろな角度から物事を見る視点
こんにちは!小島です。
今日から11月になり、空もすっかり秋模様です。この間まで半袖でも外を歩けたのに最近はアウターを羽織らないと寒くて仕方がないという感じです。
春夏用の布団しかないのでそろそろ羽毛布団を買わないといけないなと思っているのですがなかなか買えていません。笑
秋といえば「芸術の秋」ということで先日「国立西洋美術館」で現在開催されている
「モネ 睡蓮のとき」という展示を観に行きました!
クロード・モネは日本でも印象派の画家としてとても人気ですよね。私もモネの作品が大好きで、モネの作品を目当てに美術館に足を運ぶこともあったのですが、今までタイミングが合わず個展に行ったことがなかったので念願の展示でした。
今回の展示はパリの「マルモッタン・モネ美術館」の所蔵作品およそ50点に、国立西洋美術館をはじめ日本各地に所蔵される作品を加えた、計64点のモネの絵画が一堂に会する展示と事前に調べていたので、圧巻だろうなと期待を胸に足を運びました!
クロードモネとは
クロード・モネ(Claude Monet, 1840年11月14日 – 1926年12月5日)は、フランスの印象派を代表する画家であり、美術史における重要な人物の一人です。彼は自然の風景や光の変化を捉えることに情熱を注ぎ、その独特のスタイルで芸術の世界に革新をもたらしました。
モネは「印象派」という美術運動の中心的な存在で、1872年に描いた作品『印象・日の出(Impression, soleil levant)』は、「印象派」という名称の由来となっています。この絵画は、朝のル・アーヴル港の情景を、ぼんやりとした筆遣いと鮮やかな色彩で描写しています。批評家たちは当初このスタイルに否定的でしたが、モネは「光と色」を強調する新しい表現方法を模索し続けました。
「光を描く」というテーマを聞くだけでとても素敵ですよね。写真も光を「撮る」とよく言われますがモネは印象派という写実的な絵を描く画家たちとは真逆の立場ではありましたが、「光を描く」というところに視点を向けると「写真」に近いものの捉え方をしているなと思います!
モネの絵画は、詳細な描写を避け、光と影、色彩の変化を活用して雰囲気や瞬間の印象を伝えるのが特徴です。彼は自然の中で制作することを好み、「戸外制作(エア・プレニール)」という技法を使って光や天候の変化をキャンバスに表現しました。また、同じ風景を異なる時間帯や季節に描く連作(たとえば『積みわら』や『ルーアン大聖堂』)を手がけ、その場の光と色彩の変化に対する執着を示しました。
「モネ 睡蓮のとき」の展示にはその展示名の通り「睡蓮」の作品がたくさんあったのですが、同じ花や景色をさまざまな視点から見て色々な表現をしているところがとても特徴的でした。
「モネ 睡蓮のとき」
今回の展示は4つのテーマとエピローグで構成される展示です。
2024年10月5日(土)から2025年2月11日(火・祝)までとたっぷり時間があるのでお時間がある方はぜひ行ってみてください!
チケット代は一般2,300円、大学生1,400円、高校生1,000円で中学生以下は無料です。
(前売り券は一般2,100円、大学生1,300円、高校生900円です)
前売り券を買えなかった人もインターネットでチケットを購入することができるので前もってチケットを購入しておくことをおすすめします!
▼チケット購入はこちら
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024monet.html
土日ということもあって私が行った日はとても混雑していました…。私も前もってチケットを購入してから向かったのですが、40分以上並ぶことになったためゆっくり観たい方は午前中に行った方がいいかもしれませんね。
今回の展示は様々な企業とコラボレーションしたグッズの販売も魅力の一つなのですが、そのグッズを購入するための列が美術館の外にまで続いており、閉館間際も1時間半待ちと言われてしまったのでグッズを絶対に買いたい方は特に早めに行った方が良いと思います!
今回私もグッズの購入はできなかったので、リベンジにまた行こうと思います!
▼グッズ情報
https://www.ntv.co.jp/monet2024/goods/
1.セーヌ河から睡蓮の池へ
一つ目のテーマは「セーヌ河から睡蓮の池へ」です。展示室に入った瞬間、「舟遊び」の作品が飛び込んできて感動しました。やはり本物の作品を見ると筆のタッチの迫力を直接体感できるので感動します。そして今回の展示で個人的に一番素敵だと思った「ポール゠ヴィレのセーヌ河、ばら色の効果」という作品もこのテーマの中に展示されていました。
「ポール゠ヴィレのセーヌ河、夕暮れの効果」という同じ景色を別の視点で描いた作品もセットで楽しめます。
同じ景色を別の時間帯に描いているので光の描き方や色調がとても美しかったです!
このテーマの作品は全体的に淡いトーンで朝のような明るいイメージでした。
2.水と花々の装飾
2つ目のテーマでは睡蓮だけでなく様々な花の作品を見ることができます!このテーマで特に印象的だった作品は「アガパンサス」と「藤」の作品です。恥ずかしながら「アガパンサス」という花を今まで知らなかったのですが、キャンパスいっぱいに描かれた「アガパンサス」は大迫力で圧倒されました。「藤」の作品は日本の浮世絵文化に影響を受けていたとされるモネと日本のつながりを感じることができる作品でした。
水面と藤を描いたとても大きくて横長近くで見るとあまりの迫力で何の花なのか捉えられないのですが、少し距離を置くと藤の花が浮かび上がってきてこれが光や色を描く「印象派」なのだなと実感しました。
3.大装飾画への道
3つ目のテーマは360度睡蓮の作品が円形の展示室に展示されている空間となっていました。このテーマだけ写真撮影可能ですので貴重なモネの作品をしっかり撮影してきました!
オランジュリー美術館の展示を再現したかのような空間でついうっとりしてしまいました…
モネは晩年、ジヴェルニーの庭を題材にした「睡蓮」シリーズを描き続け、円形の空間で「睡蓮」を展示することで、観客が絵画に包み込まれたような感覚を味わえるようにすることを構想していたのですが経済的な問題で専用の展示場を作ることは難しく、オランジュリー美術館に生前彼が理想としてた展示室が設計されたという経緯があります。
その展示室を再現した展示はとても粋だな!と感じました。
4.交響する色彩とエピローグ
このテーマでは晩年のモネの作品を観ることができました。モネは晩年には白内障に悩まされ、視力の低下が影響して作品の色彩が変化することもありましたが、それでも制作意欲は衰えなかったと言われています。
赤や緑や茶色などの色彩が増え、白内障に悩まされたモネの「光や色」を描くことへの情熱を痛いほど感じました。「枝垂れ柳」や「日本の橋」など日本とのつながりを強く感じました。クロードモネが自分の庭で取材を受ける映像などを観ることができ、とても貴重な経験となりました。
まとめ
久しぶりに美術館を訪れ、とても良い刺激を受けることができました。コーダーという立場なのでサイトの色彩の決定に携わることはありませんが、モネの一つのものを様々な角度から捉えるという考え方は「伝わりやすいサイト制作」にもつながる考えだと思います。
この学びを日々の業務に活かし、今後も多方面から学ぶ機会を作っていきたいです。