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B級映画のすゝめ
こんにちは北原です。
随分気温もすずしくなり、服装に悩む秋らしい季節になってきました。
さて、秋といえば芸術、食欲、スポーツとありますが今回は芸術をピックアップしました。
芸術の秋で私が思い浮かぶのは映画です。ですが映画を観たいけど仕事で疲れて気合を入れて2時間いい映画を観るのは辛い、そんなときにおすすめなのが脳みそを空っぽにして見れるB級映画です。
もちろんB級なので駄作もあれば名作も多数存在しています。そんな中から私のおすすめB級映画をいくつかご紹介させていただきます。
B級映画とは
そもそもB級映画とは、低予算で制作されることが多い映画で、特にアクションやホラー、SFなどのジャンルが中心です。制作費や規模の面でA級映画より劣ることが多く、無名の俳優や新人監督が関わることもあります。そのため、映像や特殊効果がチープだったり、ストーリーが奇抜であったりするのが特徴です。しかし、その独特な雰囲気や意図せず生まれるユーモアがファンに受け、「カルト的人気」を博すこともあります。特に、ゾンビ映画やモンスター映画、過激なアクション映画などはB級映画の定番ジャンルです。
有名なB級作品
- シャークネード
- CUBE
- ムカデ人間
- カメラを止めるな など
人間と武器がくっついちゃった!「武器人間」
『武器人間』(原題:Frankenstein’s Army)』は、2013年に公開されたオランダとアメリカの合作ホラー映画です。監督はリチャード・ラーフォーストが務め、第二次世界大戦末期を舞台に、ナチス・ドイツの人体実験と機械の融合によって生み出された恐怖のクリーチャー「武器人間」と呼ばれるモンスターたちが登場します。映画は低予算ながらも、その独特なクリーチャーデザインと臨場感ある映画です。
ちなみに日本公開当時、日本語PVにドラえもんの声優で有名な大山のぶ代さんがナレーションをしたことで少々話題になった作品で、学生時代に初めて映画館でみたB級映画です。
ストーリー概要
物語は、第二次世界大戦の末期、東ヨーロッパの戦場を進軍するソビエト軍の偵察部隊が、謎の救援信号を受信したことから始まります。指揮官のノビコフらは、無線で受け取ったSOS信号を追って、ドイツ軍が占拠していた廃墟のような村へと向かいます。そこには、ナチスの秘密研究所が隠されており、彼らは思いもよらぬ恐怖と対峙することになります。
研究所内でソビエト兵士たちが目にしたのは、ナチスの科学者であり、フランケンシュタインの末裔であるビクター・フランケンシュタイン博士の恐ろしい実験の産物でした。博士は、死体や機械部品を使って「武器人間」と呼ばれる戦闘用のモンスターを生み出していました。これらの武器人間は、機械のパーツや刃物、ドリル、チェーンソーなどの武器を体に取り付けられており、狂暴で強力な兵器として開発されていたのです。
魅力
本作の最大の魅力は、何と言ってもタイトルにもある「武器人間」のクリーチャーデザインです。監督のリチャード・ラーフォーストは、怪物たちのビジュアルに強いこだわりを持ち、CGをほとんど使用せずに、特殊メイクや実際のプロップ(小道具)で制作しました。そのため、映画全体がリアルでグロテスクな雰囲気に包まれており、各クリーチャーは人体実験の結果、チェーンソーやドリル、巨大なハサミ、ガスマスクを装着した怪物など、死体に工業用機械や武器を取り付けたような姿をしており、そのグロテスクさと独創性が魅力です。
なお、ココまでこだわり尽くしたクリーチャーが以外としょうもない方法で死んだりするのもこの作品魅力です。
また、『武器人間』は「ファウンド・フッテージ」と呼ばれる、発見された映像資料の形式で進行します。ソビエト軍の兵士の一人が持っている16ミリカメラの視点で物語が展開されるため、ドキュメンタリー風のリアルな臨場感が特徴です。
おならを噴射する死体、ダニエル・ラドクリフ「スイス・アーミー・マン」
『スイス・アーミー・マン』(原題:Swiss Army Man)は、2016年に公開されたアメリカのブラックコメディ・ドラマ映画です。監督はダニエルズ(ダニエル・シャイナートとダニエル・クワンの共同監督ユニット)で、主演はポール・ダノと映画「ハリー・ポッター」で主人公のハリー役を務めたダニエル・ラドクリフが務めました。
ストーリー概要
物語は、無人島で絶望に打ちひしがれ、自殺を試みるハンク(ポール・ダノ)から始まります。彼は孤独な生活を送っており、助けが来る見込みもなく、首を吊ろうとしたその瞬間、波打ち際に謎の死体が流れ着いているのを発見します。この死体はマンディ(ダニエル・ラドクリフ)と名付けられ、驚くことに様々な奇妙な能力を持っています。死体でありながら、おならを噴射してジェットスキーのように動いたり、水を噴き出して火を消したり、口の中から物を取り出すなど、まさに「スイス・アーミー・ナイフ」のような万能の機能を備えています。
ハンクは、マンディの異常な能力を活用し、無人島から脱出しようとします。おならによる推進力で海を渡り、やがて森にたどり着いた二人は、文明社会へ戻るために旅を続けます。道中、マンディは徐々に「生き返る」ような動きを見せ、言葉を発するようになります。マンディはハンクから「人生」や「愛」についての話を聞き、次第に人間らしい感情を持ち始めます。
ハンクは孤独や絶望の中で、マンディとの対話を通じて自分自身を見つめ直し、過去のトラウマや恐れを克服しようとします。マンディは、恋愛や社会のルール、人間関係について無知であり、ハンクがその全てを教えます。ハンクは、片思いしていた女性サラのことをマンディに話し、彼女への思いを通じて人生の意味を見つけ出そうとします。
魅力
何と言っても一番の魅力はダニエル・ラドクリフが死体役としておならでジェットスキーのように動いたり、口から水が噴き出すなど、とてもあのハリーポッターを演じた人とは思えない常識を覆すユニークな演出と体当たり演技です。
また音楽は、アンディ・ハルとロバート・マクダウェルが手掛けており、キャッチーなメロディとユーモラスな楽曲が、作品の独特の雰囲気をさらに引き立てています。劇中でのハミングや歌声は、キャラクターたちの心情を表現する重要な要素となっています。
ストーリーも序盤とてつもなくシュール映画ですが、映画が進むにつれメッセージ性を感じる映画です。
正義と復讐「処刑人」
『処刑人』(原題:The Boondock Saints)は、1999年に公開されたアメリカの犯罪アクション映画です。監督はトロイ・ダフィー、主演はドラマ「ウォーキング・デッド」ダリル役で有名なノーマン・リーダス、ショーン・パトリック・フラナリー、ウィレム・デフォーが務めました。
ちなみにこの作品は2まで作られおり、さらについ先日シリーズ第3作が2025年春より撮影開始予定とう話題も出た、私が人生で5本指に入るくらい大好きな映画です。
ストーリー概要
物語はボストンを舞台に、アイルランド系の兄弟コナー(ショーン・パトリック・フラナリー)とマーフィー(ノーマン・リーダス)が主人公です。二人は日常生活を送りながらも、教会での信仰心を大切にしている普通の青年でした。しかし、ロシアン・マフィアが彼らの行きつけのバーに押し入り、暴力を振るったことをきっかけに、兄弟は正義感に目覚め、マフィアに立ち向かいます。
その事件をきっかけに、兄弟はボストンの街に蔓延る犯罪者たちを「処刑」することを決意します。彼らは自らを「神の使者」として、法の及ばない犯罪者を裁くべく、犯罪組織のボスや麻薬ディーラーなどを次々に暗殺していきます。二人は、マフィアや悪党たちをターゲットにし、独自の儀式的なスタイルで「処刑」を行います。彼らは、祈りの言葉を唱えながら犯罪者にとどめを刺し、その死体の上にコインを置くという独特のサインを残します。
魅力
スタイリッシュなアクションシーンが魅力で、銃撃戦やスローモーションの映像、血しぶきが舞う演出など、当時のアクション映画とは一線を画す独自の美学が特徴です。特に、兄弟が同時にターゲットを撃ち抜くシーンや、スメッカーが現場を再現する幻想的なシーンは強い印象が残ります。
また、登場するキャラクターもとても魅力的で、コナーとマーフィーが単なる冷徹な殺し屋ではなく、人間らしさを持ち合わせているところです。彼らは時折、ユーモアや軽妙さを見せてくれます。特に、ロッコと一緒に過ごすシーンでは、兄弟が普段見せない面が垣間見え、感情的な側面が強調されます。
またウィレム・デフォー演じるポール・スメッカーはFBIの捜査官で、ボストン警察からの依頼で兄弟の連続殺人事件を追います。スメッカーは非常に優れた捜査官で、事件現場を訪れるたびにその状況を再現するシーンが特徴的で変態っぽいのも魅力です。
最後に
紹介した作品の他にも面白いB級映画はたくさん存在しますので、ぜひ皆さんも芸術の秋にB級映画を楽しんでみてはいかがでしょうか。